2010
01.22

針金、のり使わずエコ製本

エコ・環境に関するニュース

パンフレットやカタログ制作に革新的な技術導入のお知らせ。

津幡町の製本機械メーカー「三光」(津幡町、従業員数10人)が、針金やのりなどを一切使わずに、紙を綴じることができる機械「エコ・プレスバインダー」を新開発した。針金を使わない冊子は、捨てる際に、そのままシュレッダーにかけられ、リサイクルにも出しやすくなるなど、様々なメリットがある。(森重達裕)

エコ・プレスバインダーは、製本技術のノウハウを持つ同社のほか、紙製品関連の企画会社「シャリティー」(小松市)などの協力を得て、約1年がかりで開発した。

人間の「歯」のような金属で、綴じたい紙を両側から挟み込み、強い圧力をかけて製本する仕組み。製本後の冊子には文字通り、ギザギザの“歯型”がつく。

製本した冊子には「歯型」ができる

浅村奉真社長は「なぜ圧力だけで綴じることができたか、詳しくは企業秘密」と言うが、「歯の形状と圧力の加え方を工夫することで、紙同士の繊維をからみ合わせて接着させることができた」と説明する。県工業試験場に強度の評価を依頼したところ、針金による製本よりも“歯型冊子”の方が、引っ張り強度に優れていたという。

この機械で綴じられるのは、紙の厚さにもよるが、最大で100ページ弱。1時間に4000~5000部の製本が可能で、カタログ、パンフレット、ノート、カレンダーといった冊子の製本を想定している。

価格は、一番安い「手動式」で420万円、綴じる作業を自動化した「半手動式」で1200万円、製本作業すべてが自動化された「中綴じインライン型」が3000万円。

浅村社長は「すでに商社から注文も来ている。エコに取り組んでいる企業に特に興味を持ってもらっている」と話す。印刷所や製本工場のほか、社内報など大量の印刷物を製作している大企業や、学校などでの需要も見据えており、「今年中に(半手動式で)月産5台を目指したい」と意気込んでいる。

(読売新聞より抜粋)

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2010年現在、パンフレットやカタログの製本時、無線綴じやのり綴じなど、針金を使わない製本方法も存在していますが、圧力だけで製本するという技術は初めてですね。

のり綴じのメリットとデメリット

のり綴じはその名の通り、糊のような粘着力のある物質(ボンドなど)を使い、紙と紙を綴じる方法です。針金を使わないため、そのまま廃棄することが可能になり、環境にやさしくエコであるとされています。
また、デザイン上、見開き部分に針金が入っているページが無くなる為、美しい仕上りになります。
デメリットとしては綴じ代部分が必要となる点や、経年劣化によるボンド部分の変色・変質、耐久力の低下などが挙げられますが、糊部分の成分は様々なので、数年後、数十年後に一応に変色や劣化がみられるかどうかは不明です。
なお、綴じ技術の差によるパンフレットの劣化以外にも、パンフレットの保管環境によっては1-2年で劣化しますので注意が必要ですね。


パンフレットを劣化させやすい環境


パンフレットなどの印刷物全般に言えることですが、直射日光の当たる場所ですと、1-2カ月で色褪せます。また、湿度の高い場所で段ボールに入れたまま保管すると変形の原因にもなります。また、カビを発生させることもありますので、注意が必要です。針金綴じなど場合、針金部分にサビが生じることもあるので、ご注意下さい。前出ののり綴じなどはのり部分が変質することがあります。


保管期間から逆算した適量

印刷物は印刷量が多くなればなるほど単価が下がります。
パンフレット印刷100部では1部の完成品単価が800円であったとしても、
5000部製作すると1部70円になるということもあり単価で計算すると随分と安くなるような感覚があります、そのためついつい多く発注してしまいがちです。
ですが、長期間に渡って同じパンフレットを使用するとなると、前出の経年劣化が生じたり、社内の都合で、記載内容を訂正しなければならない状況が生じる…ということもあります。また、当時は素敵なデザインだと思っていた写真や装飾表現などが古臭く感じてしまうこともあります。
人物の写真が多く掲載されているパンフレットなどですと、髪型や服装など、細かな点でも歴史を感じさせてしまいかねません。。。。
ですので、これら、紙をはじめとするハード面の耐用年数と表現やデザインなどソフト部分の賞味期限などを考慮して、長くても2-3年程度の期間内で消費できる印刷量にとどめておく方が良いかと思います。
ただし、急な掲載内容変更、また、パンフレットの劣化を考慮した保管場所確保の問題もありますので、理想的な形は1年分程度を製作して、文字情報などの修正は毎年、デザイン刷新は2年、又は3年に一度程度に設定しておくと、スケジュールもイメージし易く管理も容易になるかと思います。